料理っていうのは、素材の質と料理人の腕と経験で決まる。
だけど、それだけじゃない――そんなことを思ったことがある。
木村拓哉さんが、ドラマ『グランメゾン東京』の中でこう語っていた。
「料理っていうのは、素材の質と料理人の腕と経験で全てが決まる。
だけど料理人のメンタルが微妙に味に影響してくるよ。
スイーツの例でやさしい気持ちで作れば、やさしい甘さになるし、
ささくれだったヤツが作ると、どこか落ち着かない味になるよ」
このセリフを聞いたとき、「ああ、そうなのか へー」とうなずいていた。
同じレシピなのに、なんで味が違う?
たとえば、家庭の料理でもそうだ。
同じ材料を使って、同じ手順で作っているのに、
「あれ?今日のはなんか違うな」と感じることがある。
その“違い”って、たぶん“気持ち”だと思う。
ゆっくりした気分で作った料理と、
時間に追われて焦って作った料理とでは、
出来上がりの味に、なんとも言えない差が出る。
見た目は同じでも、食べたときの印象が違う。
それは味そのものというより、空気とか、温度とか、
言葉にしにくい何かだ。
やさしい気持ちは、やさしい味になる
木村拓哉さんは、ドラマの中でスイーツを例にあげてこう言っていた。
「やさしい気持ちで作れば、やさしい甘さになる」と。
自分は甘いものをほとんど食べない。
でも、この言葉には妙にリアリティを感じた。
料理に限らず、
やさしい気持ちで何かに向き合うと、
そのやさしさはどこかにちゃんと出てくる。
逆に、心がざわついたままの時にやることは、
どこか落ち着かない。
何かが足りないような、まとまりのない印象になる。
不思議だけど、そういう“にじみ”は、
受け取る側に自然と伝わるものなんだと思う。
料理人の心は、味ににじむ
一流の料理人でも、体調や心の状態によって味に差が出るという。
プロだから関係ない、ではなくて、
だからこそ、「心を整えてからキッチンに立つ」ことを大切にするのだろう。
素材も、技術も、経験もある。
それでも、仕上がりを左右するのは、
やっぱりそのときの“気持ち”なのかもしれない。
料理に限った話じゃない
これは、料理だけの話じゃない。
仕事でも、遊びでも、誰かとの会話でも。
やることの中に、そのときの気分や気持ちがにじみ出る。
雑にやれば、雑な印象が残るし、
ていねいにやれば、そこにやさしさや安心感が宿る。
目に見えないけれど、ちゃんと感じとれる。
人の行動には、心の動きがついてくる。
「やさしい気持ちで作れば、やさしい甘さになる」
「ささくれだったヤツが作ると、どこか落ち着かない味になる」
あのセリフは、料理のことだけじゃない。
気持ちは、すべての行動ににじむ。
受け取る人がいるかぎり、それはちゃんと届く。
だから今日も――
できるだけ、ていねいに。
やさしい気持ちで、向き合っていたいと思う。
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