定年後、ようやく本気で健康を考えるようになった――。
そしてその中で、あらためて「歯」の大切さを痛感している。
実は30代の頃、20本もの虫歯を一気に治療した。交代勤務の合間をぬって、歯医者に通い詰めた。
ただ、それでも当時は朝しか歯を磨かなかった。今では考えられない話だ。
現在は3食後にきちんと歯を磨き、3か月に1度の定期検診も欠かさない。
そんな私が40歳代でハマった健康習慣──それが「顎を鍛える」のもいいことだ?
◆ 歯は硬い? いや、意外と“もろい”
人間の歯の表面は、エナメル質という非常に硬い物質で覆われている。
このエナメル質のビッカース硬度は、なんと約300〜500 HV(ステンレス並)。
だが、これで「歯は丈夫」と思ってはいけない。
なぜなら、“硬さ”はあっても、衝撃には弱いのだ。
つまり、「一点集中の強い力」には簡単に負けてしまう。
特に、硬いものを奥歯でガツンと噛んだときは危ない。
◆ ジャイアントコーンの“恐怖”
ひと昔私は、顎の筋肉を意識的に使うためにナッツ類をよく食べていた。
ピーナッツ、アーモンド、そしてついに手を出したのが──ジャイアントコーン!
これがまさに、奥歯との一騎打ちになった。
結果は…お察しの通り、奥歯の負けである。
◆ 食品の「ビッカース硬度」比較
食品名 | 推定ビッカース硬度(HV) | コメント |
---|---|---|
エナメル質(歯) | 約300〜500 HV | ステンレス並だが、割れやすさには注意。 |
ジャイアントコーン | 約200〜300 HV | 表面が硬く、衝撃が集中すると危険。 |
よりより(中華菓子) | 約250〜350 HV | 歯が折れたという話も。まさに「歯殺し」。 |
干しだこ | 約150〜250 HV | 噛み切れない時は無理しない。 |
アーモンド | 約100〜150 HV | よく噛めばOK。ただし注意も必要。 |
ピーナッツ | 約70〜100 HV | 比較的安全。ゆっくり噛めば問題なし。 |
するめいか | 約50〜80 HV | 長く噛むことで顎トレになる。 |
※数値は実測ではなく、圧縮・破壊試験からの推定値を参考にした目安です。
◆ まとめ:歯を守るには「噛むものの選び方」が大事
歯は、一度ダメになると自然には再生しない。
だからこそ、日々のケアに加えて「何を噛むか」も意識する必要がある。
- 顎を鍛えるなら、「硬すぎないものを、よく噛む」のが理想。
- むやみに硬いものを選べば、歯が犠牲になるだけだ。
奥歯は、人生のパートナー。
だからこそ、戦わせる相手は慎重に選びたい。
次は、もう少し優しい相手にしておこう。
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