大スターも学び続ける――矢沢永吉が示した“人の話を聞く姿勢”

学び

2025年9月15日、NHK総合で放送された特別番組「NHK MUSIC SPECIAL 矢沢永吉×イチロー ~俺たちの失敗~」。ミュージシャンの矢沢永吉さんと元プロ野球選手のイチローさんが、約20年ぶりに対談するということで注目を集めました。テーマは「失敗」。大スターでありながらも失敗をどう捉え、どう乗り越えてきたのか。放送前から話題になっていた90分の特番です。


番組の概要と主な話題

番組全体では、矢沢さんが過去に35億円もの借金を背負いながら返し切ったエピソードや、イチローさんが「50歳まで現役でやる」と約束しながら45歳で引退せざるを得なかった悔しさなど、数々の印象的な話が披露されました。大物同士の対話だけあって、内容は濃密。しかし、私にとって一番心に残ったのは、実はそうした派手なエピソードではありません。


私が印象に残った矢沢さんの姿

それは「矢沢さんが人の話を最後まで聞いていた」という点です。
矢沢さんといえば、これまで自分の思いを強く語る姿が印象的でした。時に相手の話を途中で遮って、自分の言葉をかぶせる場面も少なくなかったように思います。実際、番組中でご本人も「人の話を最後まで聞かずに割り込んでしまうことが多い」と反省を口にし、奥様からも注意されていたと明かしていました。

ところが、この対談では違いました。イチローさんが話している時、矢沢さんはじっと耳を傾け、最後まで聞き終えてから自分の意見を述べていました。言いたいことを我慢して我慢して、相手の話を尊重する。そういう姿勢が画面越しにも伝わってきたのです。振り返ってみても、途中で割って入る場面はほとんどありませんでした。


人は年齢を重ねても変われる

これは、私にとってとても印象的な光景でした。大スターであっても、人間関係の基本である「人の話をきちんと聞く」ということを意識し、努力している。その姿に、人は年齢を重ねても変わることができるのだと感じました。矢沢さんは76歳。それでもなお、自分を省みて改善しようとする姿勢には大きな学びがあります。


定年後の生活に活かせる学び

定年後の生活では、人との関わり方がますます重要になります。家族や友人、地域との関係は「どれだけ話すか」よりも「どれだけ相手の話を聞けるか」で変わるものです。つい自分の経験や考えを語りたくなりますが、相手の言葉を最後まで聞くことが信頼関係を築く第一歩。矢沢さんの変化は、そのことを改めて教えてくれたように思います。


まとめ:聞く姿勢の大切さ

番組の最後に、二人は「こんどサシで酒を飲みましょう」と笑顔で約束していました。20年ぶりの再会を経て、互いをリスペクトし合う姿は見ていて心地よいものでした。しかし、私にとって何より大きな収穫は、「聞く姿勢」の大切さを矢沢さんから感じ取れたことです。

失敗から学ぶのはもちろん大切ですが、そこからさらに人として成長できるかどうか。その答えのひとつを、この対談から受け取った気がします。
あなたは、人の話を最後まで聞けていますか?

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