製造業で約40年働いてきました。不良が出れば怒られ、対策書を書き直し、QCサークル活動で歩留まりや効率改善に取り組んできました。その中で身についた「QC的な考え方」は、実は家の中でも、人生全体でも、とても役に立つものだったのです。
「なぜ?」を5回繰り返して、問題の本質に迫る力
現場で不良が出れば、5W1H(いつ・どこで・誰が・なにを・どうやって・なぜ)で事実を整理します。でも、それだけでは不十分。
「なぜ?」を5回繰り返して、現象ではなく“本質的な原因”にたどり着く。
たとえばこんな具合です:
- なぜ不良が出た? → 機械の調整がズレていた
- なぜズレていた? → 前工程で設定が変わっていた
- なぜ変わっていた? → マニュアルがあいまいだった
- なぜあいまい? → 標準化されていない
- なぜ標準化されていない? → 教育が不十分だった
この「なぜなぜ分析」が、問題の根っこに気づかせてくれます。
4Mでの問題解決法もあります。(4MとはMan=人 Machine=機械 Methot= 方法 Material=材料)
QCサークルとPDCA、これが日常生活にも効く!
現場ではQCサークルで能率や品質の改善をみんなで考え、PDCAサイクル(Planプラン→Doドゥ→Checkチェック→Actアクション)で改善を回していきました。
この思考法、実は家でも使えるんです。
● 詐欺対策にQC的発想を使うと?
- Plan 計画:知らない電話やメールには注意しよう
- Do 実行:ナンバーディスプレイや電話帳ナビを使う、怪しいメールは開かない
- Check 評価確認:変な電話が減ったか確認
- Act 改善:さらに対策を追加(迷惑電話フィルターなど)
● 家計管理にも使える!
- Plan:今月の予算を立てる
- Do:使った金額を記録
- Check:予定と実績を比べる
- Act:来月は何を改善するか見直す
問題を感情で片付けず、「事実→原因→対策」と冷静に考えるクセが、家庭でも自分の人生でも役立ちます。
工場で働いていなければ、知らなかったこと
今振り返ると、工場で働きながら学んだQCの知識や考え方は、技術だけじゃなく“生きる力”にもなっていたと思います。ものづくりの現場は、失敗から学ぶ場所でもありました。しかられても、書き直しても、悔しくても、根本原因を探し出し、仲間と一緒に改善に向かう。そんな経験が、今の自分の支えになっています。
コメント