はじめに
66歳になった今も、毎日の日課として散歩を続けています。
歩く道は決まって田んぼ道。
晴れた日はもちろん、小雨でもフード付きのヤッケを羽織って出かけます。
この散歩、ただの運動ではなく、
最近は自分にとって心を整える時間だと気づいてきました。
道を選ぶ理由
田んぼ道を歩くのは、理由があります。
それは「車のことをあまり気にしなくて済むから」。
定年後、せっかくの自由な時間に、クラクションや排気ガスに気を取られたくはない。
その点、田んぼ道は静かで安全。
自分のペースで、心と体をゆるめながら歩くことができます。
晴れた日は山を見に行く
晴れた日は遠くの山がよく見えます。
「遠くを見ると目にいいらしい」と聞いたこともありますが、
それよりも私は、山を眺めることで心が落ち着くように感じています。
たぶん、あの変わらない山の姿に、自分の悩みがちっぽけに思えるのかもしれません。
小雨の日もまた良し
小雨の日は、ヤッケのフードを被って出かけます。
傘をさすこともあるけれど、強風のときは無理をしません。
濡れた道の匂い、葉っぱから落ちる水滴の音。
こういう静かな雨の日の散歩も、意外と好きです。
田んぼ道で出会う“いつもの自然”
歩いていると、自然に囲まれていることを実感します。
冬には白鳥がV字で空を飛び、田んぼで羽を休めています。
あの姿を見るたびに「自然ってすごいな」と感じます。
鴨はいつも川で泳いでいて、人の姿を見るとすぐに逃げます。
その逃げ足の早さに笑ってしまうことも。
カラスやすずめも田んぼの中をつついています。
きっと、虫か落ちたお米でも探しているんでしょう。
何を食べているのか、実はちゃんとは知らないんですけどね。
何も考えていない「無想」の時間
歩いているうちに、ふと気づきました。
私は地面をじっと見ながら、何も考えていない時間があることに。
「あれ、今、頭の中が空っぽだったな」と気づいた瞬間、
なんだか不思議な感覚になりました。
それはまるで「禅の世界」のよう。
日々のストレスや心配事を忘れて、ただ“今ここ”に集中する。
そんな状態に、散歩の途中で自然と入っていたのです。
毎日の散歩がくれるもの
私の散歩は、1日50分ほど。だいたい5,000歩くらいです。
特別なことはしていません。
でも、この何気ないルートを歩き続けてきたことで、
健康も、心の安定も得られた気がします。
きっと読んでくれているあなたにも、
“無理のない習慣”がひとつあるだけで、
人生の豊かさが少し変わってくるはずです。
おわりに
66歳になって思うこと。
健康のために歩いていた散歩が、
いつのまにか「自分を取り戻す時間」になっていました。
自然の中で、何も考えずに歩く。
ただそれだけのことが、どれだけ心と体を整えてくれるか。
これは実際に続けてみて、はじめて分かることかもしれません。
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