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「ミュージシャンになるぞ!」
そんなセリフを10代で口にして、本当にその道へ進んだ人たちがいる。
たとえば、矢沢永吉。
14歳のとき、ラジオから流れたビートルズの「Please Mr. Postman」を聴いて衝撃を受けた。
「ジョン・レノンは14歳で音楽で食っていくと決めたらしい」──その話を聞いた矢沢は、心の中で決めた。
「俺も音楽で生きていく」
それは夢じゃなかった。「決めた」ことだった。
2013年、東京の高校生だった**大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)**もまた、音楽に人生をかけることを選んだ。
16歳で、仲間を探し始めた。
不登校気味だった自分を毎朝迎えに来てくれていた若井滉斗を誘い、
さらに初対面だった藤澤涼架には“ビビビ”ときて、その場でバンドに誘った。
直感と情熱が、バンド結成につながった。
「面白そうだと思ったんだよね」
──と彼は後に語っている。
そして1994年。
千葉・佐倉で中学生たちが結成したバンドがある。
それがのちのBUMP OF CHICKEN。
文化祭のために集まった4人は、幼馴染で「ハゲバンド」と名乗り、ビートルズをカバーした。
冗談のような名前でも、本気だった。
そこから、彼らの音楽人生が始まった。
共通するのはただひとつ。
自分の人生を、自分で“決めた”こと。
そしてそれを、面白がって生きたこと。
そんな彼らの姿に重なるように、最近もうひとつ、胸を打たれた言葉がある。
NHKのドラマ『アンパン』で、釜爺を演じた吉田鋼太郎さんが孫に言ったセリフだ。
「家に縛られたらいかん」
「女子こそ大志を抱け」
「面白がって生きろ」
この言葉は、若者だけのものではない。
むしろ、定年を迎えたシニア世代にこそ、響く言葉だと思った。
もう子育ても、仕事も、ひと区切り。
でも、「家のこと」「世間体」「年齢」…いろんなものに、まだ縛られてはいないだろうか?
60代、70代──だからこそ言える。
「面白がって生きろ」
これは、今この瞬間からでも間に合う、人生のスタートラインの言葉だ。
矢沢も、大森も、BUMPの4人も。
10代で決めて動いた。
でも、私たちは今、ここで決めたっていい。
「もう年だから」なんて、誰が決めた?
「夢を見てもいい年齢は、いつまでですか?」と聞かれたら、こう答えたい。
「夢に年齢制限はない」
「面白がった者勝ちだ」
🔻おわりに
釜爺の言葉も、ミュージシャンたちの若き決断も、
どちらも私たちにこう伝えてくれている気がする。
自分の人生は、自分で決めていい。
そして、決めたら全力で楽しめ。
面白がって生きる。そこにこそ、生きる価値がある。
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