飲み屋のお姉さん直伝!「2〜3話題を振る」会話術

学び

飲み屋のお姉さんの“会話の進め方”

昔、行きつけの飲み屋で、お姉さんと話していたときのことです。
その人は、初めて会うお客さんでもあっという間に距離を縮め、気づけば笑い声が絶えない空気を作ってしまう会話上手でした。
「どうやって話題を作ってるの?」――ある日、私は素直な疑問をぶつけてみました。


2〜3話題を振ってみる

お姉さんは、グラスを片手ににこっと笑い、こう答えました。

「最初に2つか3つ、いろんな話題を振ってみるの。
その中で反応があったものを深掘りするのよ。」

たとえば、最近のニュース、季節の話題、趣味や旅行のこと。
いきなり「これだ!」と決め打ちするのではなく、軽くいくつかの話題を振って、相手の反応を探る。
目が輝いたり、笑顔が広がったり、身を乗り出したら、その話題をゆっくり広げていく――それが、お姉さんのスタイルでした。


観察の目と切り替えの早さ

この方法で特に大事なのは「観察」と「切り替え」。
相手の声のトーンや表情の変化をしっかり見ること。
そして、反応が薄ければ迷わず話題を変えること。

お姉さんはそれを自然にやってのけます。
しかも、切り替えのときも違和感を与えない。
話題が変わったと気づかせないくらい、流れるような会話の運び方でした。


会話は“試す”ところから始まる

この話を聞いてから、私は会話は「いきなり核心に入る」のではなく、「試す」ことから始まるのだと感じるようになりました。
相手がどんなことに興味を持つのかは、話してみないとわからない。
だからこそ、複数の話題を振って反応を見ることが、会話の入り口になるのです。

お姉さんは、相手の反応をじっと観察しながら、自然な流れで話を続けていました。


私も試してみた

後日、この「2〜3話題を振る」方法を、自分も試してみました。
趣味の集まりや、仕事先で初めて会う人との雑談で、軽くいくつか話題を出してみる。
すると、予想外のところで相手の表情が変わる瞬間があり、そのまま話が盛り上がることが増えました。

やってみて感じたのは、この方法は話題の引き出しが多いほど効果的だということ。
日頃から本や記事を読んだり、映画やドラマを観たり、日常の出来事を覚えておく――そんな小さな積み重ねが会話の材料になるのです。


今でも心に残っている一言

お酒の席の何気ない会話から生まれた「2〜3話題を振る」という一言。
あれから年月が経ちましたが、私は今でも初対面の人と話すとき、この方法を頭の片隅に置いています。

会話の最初は、いくつかの話題を振ってみる。
相手が興味を示したら、その話題をじっくり広げていく。
あの夜のお姉さんの笑顔と一言は、今も私の会話術の基本です。

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