考え方の土台はどこから?

人の考え方の土台は、いったいどこから始まるのでしょうか。生まれたあとに周囲から学ぶもの?それとも、もっと前から? 子ども時代を思い返すと、不思議と納得できることや、今でも引きずっているような思考パターンに気づくことがあります。

今回は「考え方の土台」がどのように育まれるのか、家庭環境や親の影響、胎内での経験まで含めて、私なりの視点で考えてみます。


母親の心の状態と子どもへの影響

考え方の土台が育まれるうえで、母親の心の状態はとても大きな影響を与えるとされています。母親が安心して穏やかに過ごしていれば、子どもも落ち着いた性格になりやすく、逆にストレスが多い環境にあると、その不安が子どもに伝わってしまうこともあります。

近年では、胎児が母親の感情を感じ取っているという説もあり、胎内にいる段階から子どもの情緒の基盤が作られ始めているという考え方もあります。妊娠中の母親が何を感じ、どのような環境にいたかも、子どもの将来に関係しているのかもしれません。


家庭の空気と育つ思考パターン

子どもは家庭という空間の中で、親の話し方や振る舞い、物事の捉え方を自然に吸収していきます。たとえば、親が何かあるとすぐに感情的になったり、否定的な言葉が多かったりする家庭では、子どももそうした反応を「普通」として学んでしまいます。

また、親がいつも前向きで、小さなことにも感謝を忘れずにいた場合、子どもも自然と「ものごとを前向きにとらえる習慣」が身につきやすくなります。

家庭の空気というのは、言葉にしづらいけれど、子どもの考え方の芯のような部分にじわじわと浸透していくものだと思います。


兄弟構成や立場も影響する

兄弟がいるかいないか、その中で自分がどの立場かも、考え方の育ち方に関係します。一人っ子は大人と接する時間が多く、落ち着いた考え方になる一方で、自己主張が強めになることも。

上に兄や姉がいる場合、下の子は要領がよくなることが多く、周囲の空気を読んで動く力が育つこともあります。逆に長男・長女は責任感が育ちやすいものの、プレッシャーを感じやすいという特徴も。

また、祖父母との同居や、親の実家との関係性、親戚づきあいの有無も、子どもの価値観に微妙な影響を与えていることがあります。


幼児期から思春期にかけての環境

幼稚園や小学校などの社会的な場面も、考え方の育成に大きな役割を果たします。先生や友だちとの関係、うまくいった体験や失敗からの学びなど、家庭以外の要素もだんだんと積み重なっていきます。

ただ、土台となるのはやはり「家庭での安心感」。学校で嫌なことがあっても、家で話を聞いてもらえたり、受け止めてもらえると、心が折れずにすみます。こうした繰り返しのなかで、「どう物事を見るか」「どう感じるか」のベースが育っていくのだと思います。


まとめ:考え方はじわじわと染み込むもの

考え方の土台は、ある日突然できるものではなく、親や家庭、周囲の空気のなかでじわじわと育っていくものだと感じます。

大人になってから「自分はこういう傾向があるな」「なぜこう感じるんだろう」と思ったとき、そのルーツをたどってみると、意外と子ども時代の体験や親の影響が根っこにあると気づくことがあります。

だからこそ、今親である人も、子育てに関わる人も、「どんな空気を子どもに届けているか」をちょっと意識してみることが、子どもの将来のためになるのではないかと思います。

コメント