食事の席でふと耳にした言葉があります。
「なんか変だぞ。おまえ、なんで左で箸持って食う? 親はどう躾してんだ?」
正直、少し驚きました。昭和の時代には当たり前のように語られていた価値観かもしれませんが、令和のいま、改めて考えてみると興味深いテーマです。
昔は「右手で箸を持つのが当たり前」
私の親世代や祖父母世代では、子どもが左手で箸を持つと「右手で持ちなさい」と強く注意されたそうです。
背景には、儒教の教えや「右手が清浄、左手は不浄」といった考え方があったと言われます。
実際に昭和の頃は「左利きだと親のしつけがなっていない」と見なされたり、女性の場合は「結婚の妨げになる」とまで言われたこともあったとか。
現代は「利き手はその人の個性」
一方で、現代では利き手は生まれ持った特性と捉えるのが一般的です。
日本左利き協会も「左利きの方は左で箸を持つのが正しい作法」と明言していますし、無理に矯正することはストレスや発達の妨げになると指摘されています。
むしろ、左利きの方が不便を感じないように配慮することが、礼儀作法の一部とされる時代になっています。
たとえば、テーブルの席順を工夫したり、左利き用の道具を用意するなどがそれにあたります。
世代によるギャップ
私は先日、40代・50代くらいの人たちと食事を共にしましたが、誰も左手で箸を持っていませんでした。
その光景を見て「やっぱり右手文化が根強い世代なんだな」と感じました。
一方で、若い世代には左利きのまま育った人も多く、日常的に左で箸を使う姿も自然に受け入れられています。
同じ場面を見ても「変だ」と思う人と「普通だ」と思う人が分かれるのは、まさに世代間の価値観の違いなのかもしれません。
まとめ:大切なのは「相互理解」
結局のところ、左手で箸を持つこと自体はマナー違反ではありません。
むしろ、相手がどういう利き手であっても快適に食事ができるように配慮することこそ、現代の礼儀だと思います。
時代が移り変われば、常識や作法も少しずつ変わっていくもの。
大切なのは「昔はこうだった」だけで片づけるのではなく、違いを認め合う柔軟さなのかもしれません。
あなたはどう思いますか?
もし隣の人が左手で箸を持っていても、きっとその人にとっては自然で大切なスタイルなのです。
毒コーナー(本音)
時代がどうのこうのと言われても、正直いまの自分にはやっぱり“うーん”と見えてしまう。
見た目の美しさって、理屈だけじゃ変えられない。
へんな時代になったなあ、とつぶやきつつ、やれやれと箸を置くのでした。
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