芸は、身を助く──下手でも、続けた趣味が人との縁をつくってくれた

学び

「芸は、身を助く」っていうけど、ほんとだなと思うことがある。

自分の人生をふりかえってみても、うまくはなかったけど、いろんな“芸”に助けられてきた気がする。


小学校・中学校では野球

子どもの頃は、野球ばっかりやってた。
近所の友だちと空き地で草野球をしたり、学校のチームで試合に出たり。
上手だったかといえば微妙だけど、チームスポーツってやっぱり楽しかった。


高校では軟式テニス

中学の延長で野球を続けると思いきや、高校では野球部がなく、軟式テニス部に入った。
これもまた、なんとなくの流れで。
最初は慣れなかったけど、体を動かすのはやっぱり気持ちよかった。


社会人になって、なぜかまた野球チームへ

就職して数年後、気づいたら会社の草野球チームに入ってた。
「おまえ、昔やってたんだろ? 来いよ!」みたいなノリで。
あんまり打てなかったけど、試合のあとの飲み会が楽しかった。
仕事だけじゃないつながりがあるのって、いいもんだなと思った。


バドミントンもちょっとだけ

テニスが上手いわけじゃないけど、ラケットを振るのは好きだったんだろう。
たまに誘われてバドミントンをやることもあった。
体育館で汗かいて、笑って、帰りに飲みに行ったり、ラーメン食ったり。
それだけのことなんだけど、不思議と仲良くなれる。


ギターとビートルズとバンドと

音楽も好きで、中学の頃からギターを触っていた。
ビートルズを聴いて、なんとか耳コピして…。
社会人になってからも、趣味でバンドを組んだりして。
これもやっぱり、うまいとか下手とか関係なかった。
音楽があると、人とつながるのがラクになる。


芸ではないけれど、つないでくれた「登山」の時間

もうひとつ思い出すのが、会社で交代勤務をしていたころの話。
あの頃、同じ班の男女5〜6人で、よく近くの1000メートル級の山に登った。

仕事が休みのとき、みんなの都合を合わせて、「ちょっと明日行くか?」とふらっと登る感じ。
登山が趣味というわけでもなく、トレーニングでもない。
ただ一緒に歩いて、息を切らして、山頂で空を見て──
それだけの時間が、自然と人を近づけてくれた。

「芸」ではないけれど、あの登山も、たしかに人と人をつなげてくれた何かだった。


気づいたら、つながりができていた

思えば、自分は特別な才能があったわけじゃない。
でも、好きなことを続けていただけで、
なんだか人が集まってきて、縁ができて、助けられてきた。

それってやっぱり、「芸は、身を助く」ってことなんだろうな。


おわりに──上手じゃなくていい

上手くなることより、続けてることのほうが大事だった
趣味でも、遊びでも、ちょっとした遊び心でもいい。
自分の中に「何か」を持ってると、人生に“味”が出る。

定年後の今、あらためてそう思う。
人とつながる力は、なにげない時間の中にあった。

コメント