✅導入
正直、何も考えずに生きてきた。
「なぜ勉強しなきゃいけないのか?」なんて、自分には縁のない問いだと思っていた。
勉強は子どもがするもので、大人になったら必要ない──そんなふうに思っていた。
でも最近になって、ようやく腑に落ちた。
きっかけは、北野たけしの言葉と、映画『男はつらいよ』の寅さんのセリフだった。
✅たけしの言葉──「数学は、考える練習なんだ」
昔、たけしがテレビでこんなことを言っていた。
「算数や数学ってのはね、理屈を通して考える練習だったんだよ」
当時は正直、「へぇ〜」くらいにしか思わなかった。
でも、最近この言葉をふと思い出して、急に意味がわかってきた気がした。
子どもの頃、算数や数学が嫌いだったわけじゃない。
だけど「これ、何の役に立つの?」ってずっと思っていた。
分数や関数、図形の問題。
答えを出して終わり。でもそれがなんになるのか、当時はピンとこなかった。
けれど今になって思う。
たけしの言う通り、あれは「考える練習」だったんだ。
順序立てて物事を整理する力。
筋道をつけて答えを導く力。
それって、**生きていくうえで一番必要な“頭の使い方”**だったんだと、ようやく気づいた。
仕事でトラブルが起きたとき、
人間関係がこじれたとき、
何かを選ばなきゃいけないとき――
そのときに必要なのは、「公式」じゃない。
いま、何を優先すべきか? どんなリスクがあるか? どこで判断するか?
それを自分の頭で考えて決める力こそが、大事なんだとわかってきた。
だからこそ、たけしの言葉が響く。
「数学は、理屈を通して考える練習」──まさにそれだったんだ。
✅寅さんのセリフ──「サイコロで生きるか、考えて生きるか」
もう一人、心に残ったのが寅さん。
映画『男はつらいよ』のワンシーン、甥っ子の満男に言われる。
満男「大学って、何のために行くの?」
寅さん「決まってるだろ、それは勉強するためだよ」
満男「じゃあ、なんで勉強しなきゃいけないの?」
すると寅さんは、少し困ったように笑いながら、こう言った。
「そういう難しいことを聞くなって言ったろう。……でもな、
人間、長い間生きてりゃ、いろんなことにぶつかるだろ。
そんな時に俺みたいに勉強してない奴は、サイコロの出た目で決めるとか、
その時の気分で決めるしかしょうがない。
だけど、勉強した奴は、自分の頭できちんと筋道を立てて、
こういう時はどうしたらいいかなって、考えることができるんだよ」
――ズシンときた。
自分はまさに「その時の気分」で選んできた人間だったからだ。
仕事でも、人間関係でも、人生の岐路に立ったとき、
「よくわからないけど…ま、こっちでいっか」と決めてきたことが多かった。
うまくいったこともあったけど、後悔したことも正直ある。
✅勉強は、生き方を考えるための準備だった
勉強ってのは、知識の詰め込みじゃない。
「考える力」を育てるための準備だったんだ。
そして気づいた。
勉強の目的は、考えるため。考えることは、生き方を選ぶこと。
だから、勉強する目的は、人生の目的につながっていて、
人生の目的は、どう生きたいかという“生きる目的”につながっていたんだ。
――と、ここまで書いておいてなんだけど、ちょっと偉そうかもしれない。
でも、なんとなく、勉強することが自分の生き方につながってきてるような気がするのだ。
少しずつでも、考えて選べるようになってきた気がしている。
✅まとめ
「勉強する意味がわからない」
あの頃の自分に、そう言われたら、今ならこう答える。
**“自分の人生を、他人任せにしないために勉強するんだ”**と。
寅さんも、たけしも、口調は違っても同じことを言っていた気がする。
「ちゃんと考えられる人間になれよ」と。
たしかに、勉強は若い頃にするものかもしれない。
けれど、腑に落ちるのは、案外もっとあとでもいいのかもしれない。
人生のどこかで、「何のために生きるのか」に気づけるなら、
そのための勉強は、決して無駄じゃなかったんだと思う。
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