整形外科では予防を断られた。でも“全体を診てくれる医療”をあきらめない

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健康診断の結果、「血圧が少し高めですね」と言われたのは、もう何年も前のことです。最近ではお腹も張りやすくなっていて、「どこかが悪いというより、なんとなく全体が重い」と感じることも増えてきました。
そんな時、ふと思ったのです。

こういう「なんとなく体調が変だ」というとき、全体をちゃんと診てくれるお医者さんって、いないものか?


◆ ベルトコンベア式の健康診断では見えないもの

会社の健康診断は、年に1回決まったタイミングで受けています。胸部レントゲン、血液検査、尿検査、問診。いくつかのブースを回っていく流れ作業のようなスタイルです。
もちろん、これは法律で義務づけられているものだと知っています。でもどこかで、「義務だからやってるだけ」「引っかかっても再検査だけで終わる」そんな印象を持ってしまうのも事実です。

体全体を見て「こういう症状が出てるなら、他の場所にも関連があるかもしれない」とか、「過去の手術歴からこういうケアが必要」とか、そういう視点では診てもらえない。
それがちょっと、もどかしいんですよね。


◆ 整形外科で叱られたこと、今でも忘れない

2〜3年前、股関節と膝が痛くなって町医者にかかったときのこと。
紹介された整形外科に行ったら、症状が軽くなっていたせいもあり、「痛くないなら来るな」と叱られました。

「予防的に診てもらいたかっただけなんだけどな」
あのとき感じた悔しさと戸惑いは、今でもはっきり覚えています。
医者にとっては“保険の無駄”に見えたのかもしれません。でも、こっちは身体が心配で行ってるんです。それを否定されてしまったような気がして…。


◆ 歯科ではできている「予防」が、整形ではなぜできない?

一方で、歯医者には3ヶ月に1回、ちゃんと通っています。歯垢除去、歯茎チェック、虫歯予防のケア。
いまや歯科では「悪くなる前に通う」のが当たり前です。

でも整形外科では、痛くなってからでないと診てもらえない。痛くなる前の「兆し」や「姿勢のクセ」には誰も目を向けてくれない。

この違い、なんなんだろう?とずっと引っかかっていました。


◆ 19番目のカルテを見て思った。「こんな医療があったらな」

最近、『19番目のカルテ』というTV番組を見ました。総合診療科の医師が、患者の複数の症状を丁寧に聞き取り、つながりを探しながら全体像を把握していく物語です。

見ていて、「こういう病院、近くにあればいいのに」と何度も思いました。
腰の背骨が曲がっていると以前言われたけど、あれもO脚や扁平足、靴の影響が関係してるのかもしれない。過去の椎間板ヘルニアの手術歴も、無関係ではないかも。

「姿勢」「歩き方」「座り方」などを含めて、全部まとめて診てもらいたい。
そんなふうに思ったこと、ありませんか?


◆ 今からでも遅くない。「診てもらえない」を、あきらめない

たしかに、今の医療制度では「予防的な整形」は難しい面があるのかもしれません。
でも、あのとき叱られて以来、自分の身体の変化に敏感になったのも事実です。

「どうせ診てもらえない」とあきらめるのではなく、
「全体を診てくれる医師を探す」努力を、自分から始めてみるのも悪くないと思うようになりました。


◆ おわりに:自分の身体を守るのは、自分から

会社の健康診断ではわからない。
整形外科では「来るな」と言われた。
でも、私はまだあきらめていません。

総合診療科や、リハビリ科、あるいは“かかりつけ医”と呼べる人が、いつか見つかるかもしれない。
「なんとなく不調」を笑わずに聞いてくれる、そんな医師との出会いを、私は今でも探しています。 

前回、同じような内容の体験談も書きました。「私の体験から感じた歯科と整形外科の違い」https://second-life66.com/shika-vs-seikei/

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