〜昔の職場で絶対に言わなかった言葉〜
導入
日常会話や仕事の場面で、つい使ってしまう言葉の中には、本来の意味と現代の使われ方が大きく違うものがあります。
こうした言葉は、相手によって解釈が異なり、思わぬ誤解やトラブルの原因になることも。
私は現役時代、上司にも同僚にも部下にも「適当にやって」「いい加減に」などの言葉は口にしませんでした。
理由は簡単。これらの言葉はあまりにも紛らわしく、受け手によって解釈が大きく変わってしまうからです。
今回は、そんな経験を踏まえて「誤解されやすい日本語10選」と、その正しい意味・現代での使われ方を紹介します。
1. 適当
- 本来の意味:条件や目的に合っている、ふさわしい
- 現代用法:「いい加減」「雑」などのネガティブな意味
- 職場での工夫:私は「適当にやって」とは言わず、「要点を押さえて簡潔にまとめて」など具体的に指示しました。これで品質のバラつきを防げます。
2. いい加減
- 本来の意味:ちょうどよい程度
- 現代用法:無責任、おざなり
- 職場での工夫:「いい加減にしろ」ではなく「そろそろ切り上げようか」と穏やかな表現に置き換えました。
3. 煮詰まる
- 本来の意味:議論や作業が進み、結論に近づく段階
- 現代用法:行き詰まる、進展しない状態
- 職場での工夫:会議のまとめでは「最終段階に入った」と表現し、誤解を避けました。
4. 確信犯
- 本来の意味:信念や思想に基づき、悪とされる行為をあえて行う人
- 現代用法:悪いと知っていて行う人(信念の有無は関係なし)
- 職場での工夫:ニュース引用時には「故意犯」と区別して説明しました。
5. 情けは人の為ならず
- 本来の意味:人に情けをかけることは巡り巡って自分に返ってくる
- 現代用法:人に情けをかけるのはその人のためにならない
- 職場での工夫:若手指導では「親切は巡り巡って自分のためになるんだよ」と、ことわざを噛み砕いて伝えました。
6. 結構です
- 本来の意味:それで十分(肯定)
- 現代用法:いりません(否定)
- 職場での工夫:注文時は「お願いします」、断る時は「不要です」と明確に区別しました。
7. 微妙
- 本来の意味:細かく繊細
- 現代用法:あまり良くない、評価が低い
- 職場での工夫:評価コメントでは「改善の余地あり」などに言い換えて、誤解を防ぎました。
8. 一応
- 本来の意味:念のため、形式的に
- 現代用法:あまり力を入れずに、なんとなく
- 職場での工夫:確認作業では「念のためチェックして」と具体的に。
9. 検討する
- 本来の意味:前向きに考える
- 現代用法:やんわり断る社交辞令
- 職場での工夫:本気度が高い場合は「前向きに検討します」と強調しました。
10. 普通
- 本来の意味:一般的、通常
- 現代用法:平凡、特に良くない
- 職場での工夫:「標準的」「平均的」といった具体語を使用しました。
まとめ
言葉は時代とともに意味が変わります。
「適当」「いい加減」のように、良い意味と悪い意味の両方を持つ言葉は特に注意が必要です。
私が現役時代に心がけたのは、曖昧な言葉を避け、細かく具体的に指示することでした。
それは相手への思いやりであり、同時に仕事の品質を守るための方法でもあります。
日常でも職場でも、誤解を避けるために――
「ちょっと丁寧すぎるかな?」くらいの具体的表現を心がけてみてください。
きっと人間関係も仕事の成果も、いい方向に変わっていくはずです。
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