プロフィール

私は66歳。製造の現場で40年働いてきた。

「現場」と一口に言っても、想像されるものとは少し違うかもしれない。品質管理でも、設計でも、営業でもない。ひたすら「物を作る」ことに向き合い続けた40年だ。手を動かし、現場を歩き、問題が起きたら自分の目で確かめてきた。

その仕事の感覚は、定年後も変わらない。


現場では「気づく人間」が必要だ。

異音、ズレ、数字の小さなブレ。言葉になる前に体が反応する。「何かおかしい」という直感が、トラブルを未然に防ぐことがある。40年、その感覚を大事にしてきた。

定年を迎えて気づいた。この感覚は、日常でも同じように働いている。

ニュースの言葉を聞いて、何かが引っかかる。人のふるまいを見ていて、なんか変だと思う。「これ、本当にそうなのか?」という感覚が来る。それを流したことがない。


世の中には「そういうものだ」という話が多すぎる。

定年したら趣味を持て。男は仕事から離れると孤独になる。老後は健康第一だ。——どこかで聞いたような話が、毎日流れてくる。その度に引っかかる。「私の話じゃないな」という感覚が来る。

全部が嘘だとは思わない。でも全部が正しいとも思わない。少なくとも、私には当てはまらないことが多い。

その「当てはまらない感覚」を、流さずに書くのがこのブログだ。


どんな記事を書いているか、少し紹介する。

定年後の暇について書いた。「やらされる暇は嫌だ。やりたいことをやっていれば、時間が足りない」という話だ。定年後に「何もすることがない」という人をよく聞く。私はそう感じたことがない。何かがずっと気になっている。

妻の運転について書いた。助手席に40年乗り続けてきた。気づいたら全部任せていた。それは諦めでも、信頼でも、愛情でもない。仕事で飽和状態だっただけだ。退職して毎日家にいる今、くだらない話ができるようになった。

男友達がいなくなるのかについて書いた。退職の日、30年会っていなかった仲間に連絡した。地位は関係なかった。会うから合うようになる、という話だ。

どれも、特別な話じゃない。有名人の話でも、成功の秘訣でもない。ただ、「本当にそうだったか」「私はどう感じていたか」を自分の言葉で書いた。


このブログの名前は「静かの違和感ラボ」という。

「静かの」は、月の地名から来ている。アポロ11号が月面着陸したとき、着陸地点の名前が「静かの海」だった。「静かな海」ではなく「静かの海」。日本語として少し変だが、その響きが妙に好きだった。何十年も経って、ブログの名前を考えるときにそれを思い出した。情緒があって、かっこいいと思った。だからそのまま使った。そしてもう一つ、静かな毎日の中から言葉を拾い上げる、という意味も重ねている。

「ラボ」というのは、実験室のことだ。でも白衣は着ていないし、試験管もない。日常の中にある違和感を持ち込んで、自分なりに考えてみる場所、という意味だ。答えが出なくてもいい。むしろ出ない方が多い。考えた跡が残ればそれでいい。


ただ「引っかかる」という言葉では足りない瞬間がある。

脳内に雷が走るような感覚、と言った方が近い。「あれ?」ではなく「ちょっと待て」が来る瞬間だ。その衝撃が、記事になる。このブログのアイキャッチに雷を使っているのは、そういう理由だ。

答えを出すことが目的じゃない。違和感を感じた、その事実を残しておくことが目的だ。書いているうちに、自分が何を大事にしているかが見えてくる。それが続ける理由だ。

専門知識はない。データも引用しない。あるのは製造現場40年の目と、66歳の今の実感だけだ。「なんかわかる」と思ってもらえれば十分。同じように日常の中に引っかかりを感じている誰かに届けばいい。


運営者情報

  • ブログ名:静かの違和感ラボ
  • 運営者:ちゃんめめ66
  • 年齢:66歳
  • 経歴:製造現場40年・定年後ブログ開始
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