2025年9月、ある番組で紹介されたストラディバリウスの演奏を見て、少し意外な言葉に出会いました。
それは――
「力を抜いたほうが、音はよく響く」
名器と呼ばれるストラディバリウス。
多くの人は「強く」「大きく」「正確に」弾くことで、その真価が出ると思うかもしれません。
けれど実際には逆でした。
力を込めるほど、音は硬くなる。
うまく弾こうとするほど、響きは濁る。
むしろ――
余計な力を抜いたとき、本来の音が自然に広がる。
演奏者自身も「以前は力強く弾こうとしていた」と語っていました。
しかしソフトに触れるように弾いたとき、ストラディバリウスは一番よく鳴った。
その変化は、音楽というより“感覚”に近いものだったそうです。
この話を聞きながら、音楽だけの話ではないと感じました。
人も同じ。
頑張りすぎると、どこか空回りする。
うまくやろうとすると、不自然になる。
力めば力むほど、本来の自分から少しずつズレていく。
逆に、余計な力を抜いたとき――
言葉も、態度も、空気も、自然に伝わる。
ストラディバリウスは楽器ですが、
同時に「力を抜くことの意味」を静かに教えてくれているように思えました。
無理に響かせようとしなくてもいい。
自然に鳴る状態をつくれば、音は自分で広がる。
もしかすると人生も同じで、
“うまくやろうとしないとき”に、本来の力は出るのかもしれません。
おまけ
どれほど説明を読んでも、音は伝わりません。
もし機会があれば、一度その響きを直接感じてみてください。
百聞は一聴にしかず。
きっと「力を抜く」という感覚が、言葉より先に伝わるはずです。


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