文章を書いていると、時々思うことがある。
これは本当の話なのか。
それとも、どこか作った話なのか。
読んでいると、なんとなく「うそくせーな」と感じる文章がある。
もちろん証明はできない。
でも、どこか温度が違う気がする。
本当にあった話は、きれいにまとまらない。
細かいところがあいまいだったり、
「よく覚えていない」が出てきたりする。
でも作った話は、やけに整っている。
だから読んでいると、
どこか冷たい。
これは書き言葉だけではない。
人と話していても、
「あれ?」と思うことがある。
なんとなく、引っかかる。
証拠があるわけでもない。
でも、どこか違う。
「えっ、お前、嘘言ってないか?」
そんなふうに思う瞬間がある。
昔、現場で不良の聞き取りをしていたときもそうだった。
説明を聞いていると、
なんとなく違和感が出る。
話がきれいすぎる。
妙に整っている。
すると、ふと思う。
「ああ、こいつ、何か隠しているな」
理由は説明できない。
でも、なんとなく分かる。
言葉というのは不思議なもので、
嘘の言葉はどこか弱い。
本当の言葉は、
理由はよく分からないが、
なぜか力がある。
嘘の言葉は、どこか軽い。
本当の言葉は、
なぜか分からないが、
少し迫ってくる。
説得力というより、
重さのようなものかもしれない。
昔の人は「言霊」と言った。
言葉には力が宿るという考え方だ。
私はそこまで大げさには考えていないが、
似たような話を聞いたことがある。
「言力(げんりょく)だな」
そう教えてもらった。
なるほどと思った。
言葉には力がある。
人を動かす力がある。
例えば営業でもそうだ。
話がうまい人が売れるとは限らない。
むしろ、説明が下手でも、
一生懸命に話している人の方が
買ってもらえることがある。
商品を買っているようで、
実はその人を買っている。
信用されている。
つまり、その人の言葉に
力があるということだ。
ただ、世の中には
その力を演じる人もいる。
詐欺師のように、
言葉を使う人。
まるで役者のように、
言葉を操る。
だからこそ思う。
言葉には力がある。
でも、その言葉が
本当のものなのかどうか。
それは案外、
なんとなく分かるものなのかもしれない。


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