なんだこれ、これだけでもう使い果たしたんか——AIに月110ドル払っている60代の話

違和感

「もう枠は使い切ったよ。次は水曜の13時までだめだ」

正確な文言は覚えていない。だが意味はそうだった。

土曜だった。ブログを書いている最中だった。画面が止まって、その週はもう何もできないと出た。水曜の昼まで、約3日。書きかけの記事を前に、やむなし、と思った。

AIのClaude(クロード)に、月110ドル払っている。プランの名前は「Max(マックス)」。使用量の画面には「Max (5x)」=Proプランの5倍、と出ている。公式サイトの表示は月100ドルで、日本の消費税が乗って請求は110ドル。俺のカードだと月17,500円から17,800円だ。2026年(令和8年)3月末に始めて、5ヶ月で約9万円になった。

この記事は、月20ドルのProプランを使っていて「足りないかもしれない」と思い始めた人に向けて書く。俺は実際に20ドルに戻して、13日で音を上げた。その顛末と、自分が足りるかどうかを自分で確かめる方法だ。

先に答えを書く。週の使用率が20%を超えるなら、Proでは足りない。俺は48%から83%だった。

この記事に広告は一枚も貼っていない。並べてあるのは全部、自分で払った請求書の数字だ。

まず、自分が何%使っているか見る

物差しの前に、目盛りだ。自分の数字は自分の画面で見られる。

  1. 画面左下の「」(ヘルプのボタン)を押す
  2. 設定」を開く
  3. 使用量」を押す

「週間制限」のところに、今週すでに何%使ったかが出ている。これが全部の判定のもとになる数字だ。見るなら週の後半がいい。俺が止まったのは土曜だった——週のしまいに、つけが回ってくる。

目安をもう1つ。100%を7日で割ると、1日ぶんは約14%だ。今日が週の3日目なら、42%を超えていたら使いすぎ、下回っていれば貯金がある。俺も一時期この足し算でチョロチョロ見張っていたが——正直に言うと、途中で面倒になってやめた。毎日見なくても、週の後半に1回見れば判定はつく。

20%を超えていたら、Proでは足りない

Proプランは公式表示が月20ドル。消費税が乗って請求は22ドル、円で約3,400円になる。Maxプランは、使用量の画面に「Max (5x)」=Proの5倍と表記されている。

単純に5分の1と見れば、週20%を超えたらProでは足りない計算になる。実際の上限の比率までは公表されていないから、これは目安だ。

ただ、俺には目安より確かなものがある。実際に戻して、止まった。

5月のはじめ、「Proで足りるんじゃないか」と思ってProプランに戻した。土曜に止まった。13日後、俺はMaxに戻した。請求書の5月1日(22ドル)と5月14日(97ドル)は、その往復の跡だ。

Proのまま粘る方法(俺が効いた順に3つ)

止まる理由を測ったら、削れるところが3つ見えた。Maxに上げる前に、まずこれを削れ。

1. 画面の写真を送らない

絵は重い。文字は軽い。スクリーンショットを読ませた日は、%が一気に減った。ある日の消費の主因は、作業ではなく写真の読み込みだった。画面の内容は、できるだけ文字で打って伝える。俺はこれで一日ぶんが浮いた。

2. 賢いモデルを使い終わったら、その場で戻す

同じClaudeの中に、頭のいい型と、ふだん使いの型がある。頭のいいほうが、枠の減りが速い。ガソリンでいえばハイオクとレギュラーだ。

切り替えは、チャットの入力欄にある「モデル切り替え」でできる。難しい仕事のときだけハイオクに入れ替えて、終わったらその場でレギュラーに戻す。俺はこの「戻す」を忘れて、近所の買い物までハイオクで走っていた。

3. 大量に読ませる仕事は、助手に回す

Claudeには、自分の代わりに働く助手を呼び出す仕組みがある。本1冊ぶんくらいの資料(24万字)の読み込みをその助手にやらせた日、週の枠はほとんど動かなかった。ただしこれは1回きりの実測で、まだ確かめ直していない。

それでもダメなら、いくら払うことになるか

粘っても足りない人は、Maxになる。俺が実際に払った額を並べる。ドル建てで、円は引き落とし日の相場での換算だ。

日付ドル何があったか
2026年3月28日20ドル約3,200円Proプランで入った
4月1日91.06ドル約14,400円4日でMaxに替えた
5月1日22ドル約3,400円Proに戻してみた
5月14日97ドル約15,300円13日でMaxに戻した
6月〜8月毎月110ドル約17,500〜17,800円

累計560.06ドル。約9万円。

俺の数字——4週間、全部測った

アプリが5分おきに書き残している記録が1ヶ月で2,874件あった。週ごとに集計した。

使った割合
7月末の週48%
8月あたまの週61%
その次の週74%
8月後半の週83%

判定線の週20%を、4週とも大きく超えている。5月に止まったのは、使い方が悪かったからじゃない。最初から、入る器が違っていた。

この数字、9月には125%になる

ここからが怖い話だ。

この4週間、使用量の画面にはこう出ていた。「制限が一時的に引き上げられています。Claude Codeの週間制限が50%高くなっています(8月31日まで)」。会社側のキャンペーンで、器が5割増しになっていた。

つまり上の48〜83%は、大きい器での数字だ。おまけを外して計算し直すと、72%・91.5%・111%・124.5%になる。

4週のうち2週は、おまけが無ければ上限に当たっていた。月17,500円払っている俺でも、9月には止まるかもしれない。おまけは8月31日で終わる。9月の数字は、測ってからこの記事に追記する。

3,400円か、17,500円か。その間が無い

はっきり言う。高い。

俺の感覚では、せめて5,000円だ。それなら趣味の出費として、胸を張って払える。ところが5,000円のプランは無い。3,400円か、17,500円か。その間が無い。そして3,400円のProは、土曜に止まる。

選んでいるようで、選ばされている。Proで足りる人はそれでいい。足りない人には、いきなり5倍の札が出てくる。その間の値段を、こっちは選べない。

みどりの窓口が車で30分の場所に減っていくのも、同じ形をしている。→ みどりの窓口まで車で30分|券売機が使えない60代が切符を買った話

嫁は知っている。中身は聞かない

67歳がAIに月17,500円。我ながら変態だと思う。

嫁は、俺が使っているのを知っている。中身は聞かない。好きなことをやらせてくれている。俺も説明しない。説明しようとすると「クロードって何だ」から始まって、そこで終わるからだ。

だから、せめて明細だけは自分で見ている。何に消えているか分からないまま払うのは、性に合わない。測ったら見えた。見えたら削れた。あんたの画面にも、同じ数字が出ている。左下の「?」からだ。

文句を言いながら、なぜ払い続けるのか

文句ばかり書いたが、道具としては大したものだと思っている。正直、俺はまだ使いこなせていない。使い方のYouTubeが山ほど出ている世界だ。

証拠を1つ、ここに置いておく。こいつに頼んで作ってもらったダッシュボード(計器盤)だ。下のスライダーを動かすと、グラフがその場で動く。

※数字は俺のものではなく、60代世帯の中央値(金融広報中央委員会2024・厚生労働省モデル年金)。ざっくり試算の見本だ。

ライフプランのダッシュボードって何?

── 人生のスピードメーターだ

60代 世帯の中央値データで試算 / スライダーを動かすと未来が変わる

今の総資産(中央値)
1,000万円
金融広報中央委員会2024
年金収入(年)
約264万円
月22万円・夫婦モデル世帯
お金が尽きる目安
うち株・投信(中央値)
200万円
成長率はスライダーで
スライダーを動かすと、グラフが変わる
27万円
0%
年金+資産だけ 株・投信が育ったぶん

※ざっくり試算。年金月22万円・総資産1,000万円・株200万円のスタートで、毎年同じ支出が続いた場合のシミュレーション。「尽きない」は計算上の話で、物価変動等は含まない。グラフ表示にはインターネット接続が必要です。

データ出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2024」/厚生労働省モデル年金額2024年度

こういうものが、話しかけるだけで出てくる。値段に文句を言いながら払い続けている。それが答えだ。