Googleで検索すると、上位に出てくるのはだいたい大手だ。俺はずっとそれを「信頼の証」だと思っていた。だから信じた。そして損をした。
2年前まで、俺はYahoo!しか使っていなかった
40年、製造現場で働いてきた。定年後にブログを始めるまで、検索なんてYahoo!で十分だと思っていた。Googleはほとんど使わない。そんな生活だった。
ブログを始めてから、ラッコキーワードというツールを使うようになった。どんなキーワードで検索されているかを調べるものだ。そこで実際にGoogleの検索結果を眺めてみると、気づいたことがある。
上位に出てくるのは、ほぼ大手だ。比較サイト、金融系メディア、保険の窓口、大手代理店。個人ブログはほとんど見当たらない。
Googleが大手を上に出すのは、信頼のためだろう
なぜ大手が上位に来るのか。Googleとしては、情報の信頼性を担保したいのだと思う。大きな組織、専門家の監修、豊富な情報量。それを「良いコンテンツ」と判断している面はあるだろう。
だが、生命保険の情報を調べているとき、俺はあることに気づいた。金融庁からお叱りを受けたことのある大手保険会社が、普通に上位に出てくる。「信頼できる情報源」として検索結果に並んでいる。
ちょっと待て、という話だ。
保険屋を信じ切っていた。毒キノコをくらっていた
俺は長いこと、保険屋の言葉を信じていた。担当者が「これが必要です」と言えば、そうか、と思って加入した。特に疑わなかった。
ブログを書くために保険の勉強をして、初めてわかった。必要のない保険に何年も入り続けていた。払わなくていい保険料を、払い続けていた。いま振り返ると「金を返してくれ」という気持ちが正直なところだ。
保険屋が悪意を持っていたとは思わない。ただ、「大手が言うから正しい」「担当者が勧めるから間違いない」という思い込みが、俺にはあった。それが判断を鈍らせた。
だから俺は、個人ブログを書いている
退職後にブログを始めた理由は単純だ。年金だけでは暮らせない。あと3万、できれば5万、手元に入ってくる道が欲しい。そういう話だ。
でも書いているうちに、もう一つ理由が加わってきた。俺の体験談は、俺にしか書けない。大手のメディアには、40年間製造現場で働いてきた60代の生の声はない。保険で損をして、それを後から勉強して気づいた、という話も書けない。
Google AIモードが普及してきて、検索すると要約が出るようになった。便利なような気もする。だが俺は、生の声が読みたいときがある。「実際にどうだったか」を知りたいときに、まとめられた答えだけでは足りない感じがする。
個人ブログが生き残れるとしたら、そこだと思っている。
大手を疑えというわけではない。ただ、一つの見方だ
Googleが大手を上位に出すのは、一定の理屈がある。情報の量、更新頻度、専門性。それは否定しない。
ただ、上位に出るからといって、自分にとって正しい情報とは限らない。保険の話がそうだったように、大手の都合と個人の利益が一致するとは限らない。
俺は損をして、やっとそのことに気づいた。遅かったけれど、気づいた。
追記(2026年7月)——大手より、さらに上にいる席
この記事を書いたあと、もう一つ気をつけたいものに気づいた。検索結果のいちばん上に出てくる「スポンサー」の枠だ。
俺は曲作りにSunoというAIを使っている。試しに「suno ai」で検索してみたら、いちばん上に出てきたのは「スポンサー広告」と書かれた枠だった。

この日は、本物の公式サイトだった。だがこの枠は、検索で一番評価されたから上にいるわけではない。金を払って、その席を買っている。中身が正しいかどうかを、Googleが保証しているわけでもない。
特に危ないのは、慌てて検索するとき
鍵をなくした。水が漏れている。車が動かない。
こういう「今すぐなんとかしたい」ときの検索が、いちばん危ない。相見積もりを取る余裕がないから、いちばん上に出てきた業者に、そのまま電話してしまう。
調べてみて驚いた。国民生活センターによると、水回り修理・解錠・害虫駆除といった「暮らしのレスキューサービス」の相談は、2023年度で7,000件を超えている。この10年で4倍以上だ。
手口も載っていた。「水回り修理950円〜」という広告を見て頼んだら、数十万円。「390円」の表示を見て呼んだら、55万円を請求された人もいる。無料のはずの見積もりに金を取られた、その場で高額な契約を迫られた、断ったらキャンセル料を取られた——そういう相談が並んでいた。
慌てているときほど、人はいちばん上を押す。
日本だけの話ではなかった
気になって、英語でも調べてみた。同じことが起きていた。
アメリカでは、州の消費者保護機関が名指しで注意を出している。詐欺業者は検索で強い言葉に金を払って上位に出る。電話番号をいくつも並べておいて、かけると全部同じコールセンターにつながる。高評価に見せるために、レビューまで買う。
アメリカの議員も、以前から同じことを言っている。2020年、下院と上院の議員が連名で、FTC(アメリカの消費者を守る国の役所)に手紙を出した。コロナの給付金がいつ届くかを検索した人に、詐欺の広告が出ていた件だ。
手紙によると、広告が一回押されるたびに、広告主からGoogleに1〜2ドル入る。
Googleが悪意でやっているという話ではない。ただ、押されるほど収入になる仕組みの上に、あの枠は乗っている。それだけ頭に置いておきたい。
国が違っても、慌てている人を狙う手口は同じらしい。
俺にできる対策は、一つだけ
押す前に「スポンサー」の文字がないか、一目だけ確かめる。あったら、その下の普通の検索結果から選ぶ。
それだけのことだが、慌てているときこそ効くはずだ。
大手が並ぶ話を書いた。その大手よりさらに上に、金で買った席がある。順番は、信頼の順とは限らない。
(参考:国民生活センター「水回り修理『950円〜』のはずが…数十万円の高額請求に!」/コネチカット州消費者保護局「Locksmith Scams」/シャコウスキー下院議員・ブルメンソール上院議員のFTCへの書簡・2020年)
よくある質問
Q. Googleの検索結果は信用できないということですか?
A. 信用できないとは言いません。ただ、上位に出る=自分に合っている、ではないということです。特にお金や保険の情報は、誰が何のために書いているかを意識して読むといいと思います。
Q. 保険で損をしたとのことですが、具体的にどんな保険でしたか?
A. 不要な特約や、掛け捨てで済む保障を終身保険で払い続けていたケースです。担当者に言われるままにしていた結果で、自分で調べていれば防げたと思います。
Q. 個人ブログを読む意味はどこにありますか?
A. 生の体験が読めることだと思います。実際に使ってみた、損をした、後悔した、という話は大手メディアにはあまり出てきません。参考の一つとして使ってもらえれば十分です。
Q. ブログを始めようか迷っています。何かアドバイスはありますか?
A. 自分の体験を書けるなら、始める価値はあると思います。俺自身、お金のためだけでなく、書くことで整理できることが多いと感じています。
Googleは大手を信じている。俺もかつてはそうだった。今は、自分で調べて、自分で書いている。それだけのことだ。

